常磐のマ・リース工房の話

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きっかけなど

リース作りを題材としたゲームを思いついたきっかけは、Readmeにスペシャルサンクスとして掲載しておりますが、 minneでショップをひらいているK’s garden様、その写真を撮っているコトカゼの青嶺トウコ様です。(twitter#おいもままのリース

写真@Psyche

リースといえば、小学生のころ、山からツルをとってきて水にひたして編んだなあ(飾りなし)というのと、クリスマスシーズンになれば飾ってあるなあというくらいで、特別な思い入れなどはありませんでした。ところがあるときtwitterで流れてきたK’s gardenさんのリース写真を見て、びっくりしたんです。リースに春夏秋冬がある! クリスマスのものだけではないんだ! と。その瞬間瞬間の季節を輪にしたリースは、神聖なものでも特別なものでもなく、日常に寄り添っているんだな~と気がついてしみじみしました。あとすごく創意工夫に富んでいるんですよね、K’s gardenさんのリースって。何度見てもすてきだなあと思います。

そのリースをtwitterで紹介している青嶺トウコさんは、マ・リース工房の世界観にぴったりな写真も撮影されていて、最初はそれらの写真をレタッチしてゲーム内で使わせていただく予定でした。いざやろうとすると思うようにいかず、最終的には自分で描いたのですが、工房内の雰囲気をつかむのにとてもお世話になりました。まったく写真のようには描きこめなかったんですが、以下、制作中のわたしを励ました写真たちの一部。上に飾ったすてきなドライフラワーの写真もそうです。写真はTumblr#Psycheで公開されています。

制作のことなど

この作品はティラノゲームフェス2018への参加作で、本来であれば8月末に完成しなければなりませんでした。制作も5月頃からはじめていて、一昨年に公開した『ウォルンタースの鉱石』と同じスケジュールと規模で進めていたはずなのですが… 思った以上に時間がかかってしまいました。

直接的な原因は、ゲームバランスを意識したせいかなと思っています。リースを作るミニゲーム部分は早い段階でできてましたし、UIのレイアウトも基本的にはウォル石の使い回しです。背景もモノクロのお粗末なものでしたが用意しました。立ち絵も8月の段階ではポーズ1種で表情のみ変わるスタイル。物語は5話編成で、エンディングが複数あるにしろまあウォル石と同じように演出を組み込みつつ1日1話でやれるだろう… と踏んでいたんです。ただ、テストプレイを繰り返すうちに、物足りなさが強くなってきたんですね。それはウォル石と同じ物足りなさでした。リースを作る部分がユーザー体験だけになっていて、ゲームとして成り立っていなかったんです。

ウォル石には、段階的に石の色を変えて一つの宝石を作るミニゲームがあります。これも、一応ゲームオーバーはあるものの、その基準はおそらくプレイヤーにとって明確でなく、ルールもあいまいでした。私は数字上で色が変わる法則を理解しているだけで、ゲームとしてうまく絡ませることができていなかった。おそらくあのミニゲームでつまづかれたかたは多いと思いますし、そこが分離しているのなら、ミニゲームなしでのゲームでいいと思います。でも読むだけなら小説で書けばいいという考えなので、ミニゲームをゲームとして成立させないと公開する意味がないなあと思い至ったんです。

リース作りの部分をもっと作りこむとなると時間が足りないので、フェスにはプロローグ部分のみ申請しました。締めきりが伸びたのと、この頃にキティちゃんのVチューバー動画で「やりたいことは、どんどんやっていこう!」という励ましをもらい、やりたいことはどんどん入れていくことにしました。立ち絵とシナリオの大改造です。締めきりが伸びたといっても9月内に公開できると信じていたので、できる範囲でですが。ところが9月は怒濤の体調不良に見舞われ、布団の中でフェス作品を遊び倒す月になってしまいました。

ちなみにゲームをゲームとして成立する考えかたについては、twitterで流れてきた「フロースラントの魔法屋さん 開発記」がヒントになりました。すべてのアイテムや機能に意味や目的があることを淡々と書かれていて、たぶんこれからも参考にさせていただく記事です。一応リース作りのレベルは、こちらを読むまえから作ってたんですが、なんだか物足りないから入れようという漠然とした理由でした。でも、やはり目的がはっきりしてない機能はユーザーを迷わせるだけで無意味なんだ…(胸に刻む) という気持ちになって、できる範囲でテコ入れしました。

10月あたりになってくると、他の用事などもあって、そっちをこなしたりしてたのかな。あまり覚えてません…。ただ、制作が長引くと身体にも負担がかかって向いてないなと実感しました。結局のところ12月まで制作が長引いてしまい、9月に遊べる! 10月に遊べる! と思っていたかたには大変申し訳ないことをしました。

お待たせしました!  といいたいところですが、今この記事を書いてる段階では審査が通ってません。修正などで再申請したので長引いてます。年内に公開されるかな(;´Д`) フェスの審査には間に合わなかったので、結果は選外だと思いますが、開催中には本編リリースできそうで安心しています。

まだまだ足りない部分もあるかと思いますが、シナリオ面も含めて、現時点でやりたいこと、やれることは全部やりました。少しでもお楽しみいただければ幸いです。


シナリオとか

やっぱりゲームシナリオ向いてないよ(°∇° )

外へ外へ進んでいく話がどうしても考えられないのでした。 問題を外部に置いてそれを解消するにしても、それを問題ととらえるかどうかは結局のところ対面した人間のメンタル次第じゃん? という元も子もないことをいつも考えているので、どうしても内へ内へ入ってしまう…。こういうのはあまりゲームっぽくないよな~わかってる~ でもこれしか書けない(๑˃̵ᴗ˂̵)و という気持ちで直し直し書きました。小説とちがって、表情や仕草といった演出が目に見えるので、何度もプレイしてるうちにめちゃくちゃ愛着がわいてしまいました…笑

キャラクターの話。
実は、村長の子どもでサニタと同い年なのは男の子の予定でした。彼には妹がいて、一人のサニタと対比するような感じだったのですが、5人も描いてる暇はないとわかったときに真っ先に消えてもらうことに。結果、クルジェは雌雄同体なのでおいといて、女だらけのゲームとなってしまいました! わーい!


今後の予定

今回、制作に半年かかったので、次はもしかすると1年かかるかもしれないなーと思っています。一応新作の予定はあります。こちらは原作があります! それとは別に、『キャラの星座決めアプリ』を作り直したいのですが、当面はパトロン版の制作と小説を書く予定です。

パトロンカードのこと

ついでなので、今回、試験的にパトロンカードというものをBOOTHに設置したのでその話をかんたんにします。

わたしがどっぷりフリーゲームを遊んでいたころは、ニコニコもYouTubeもありませんでした。ちょっとゲーム制作からはなれているあいだに動画配信サービスができて、実況ジャンルが確立されて、私は遠くからをそれを見ていて、ゲーム実況をする人の目的や、見る人の気持ちがよくわからなくて、「ゲームまた作りたいけどどうしようかな」と思ってたんですね。ちゃんと紹介しているゲーム実況があるのも知っていますが、再配布とどうちがうのかわからないような動画もあるので。

でもそれを完全に防ぐことは不可能ですし(ウォル石は実況禁止と注意書きをしましたが実況されたログがあります)その行いにも楽しい面があるのだろうし、それなら禁止するより 思いっきり楽しんでもらって、こちらで何かバランスが取ろうと、パトロンカードを頒布してみることにしました。

お金を払えば再配布OKなのかとかそういう話ではなく、単純に、動画で利益を得ている人がいるのなら私も利を得る仕組みを導入してバランスを取ろうという試みです。

それと関連して、来年3月にBOOTHでデジタルゲーム会があるらしいので、エンドレスにリースを作り続けるモードを搭載した有料版を出したいと思います。本編はなにも変更がない、支援したい人向けのパトロン版です。管理しやすそうであれば、今後パトロンカードを廃止して、フリー版とパトロン版でやっていくかもしれません。